「そういや名前、聞いてないと思って」



「超、今さらじゃん?」




「まあ、そうなんだけど」




「いいよ、別に。覚える気ないんでしょ?」



「おまえ……なんでそんなこと言うかな」



「冗談」





笑って言った彼女の横顔は、どこか寂しげだった。