「ほら、こっち向いて」

「んー!」


不満そうな声を漏らしたルマをなだめる。


泣いたから、目が腫れを濡らしたタオルで冷やしているところだ。


僕に引き留められて不機嫌そうである。


ルアは川で何かを見ているようだ。

おたまじゃくしか、川魚か。


あまり遠くに行かなければいいが…。


ルアは興味津々で、どんどん前に進むからなぁ~。

ルマと反対の性格で双子なのにって思ってた。


そんなの偏見でしかなかった。


双子だって違う人間だ。

それは忘れてはいけない。


もし忘れたときは、



“傷つけてしまう”



から。