「ママの好きなお花ないな…」


見れなくて残念だな。


「ないの?」

「見つけられないから、まだ咲いてないのかな~」


そう言うと、二人は顔を暗くした。


「まま悲しむかなぁ」

「ままは怒るかな~」


ビー玉みたいな大きな瞳を潤ませた二人を見た瞬間、僕は焦った。


「えーっと…ルア、ルマ?」

「まま、泣いてるかなぁ」

「ぐすっ…」


僕の声に反応しない。


「ママは怒ってないよ」


根拠はないけど、そんな感じがする。


「まま、っく、怒ってない?」

「ほんとにぃ?」


しゃくりあげながら、僕に真偽を尋ねてきた。


「ママなら、きっとそう」


僕はユイなら…って確信している。

この自信はどこから湧くのだろうか。


「まだ咲いていないみたいだから、また次探しに来よう?」


今年は咲くのが遅れてるのかな?


「うんっ…」