「お弁当持ちましたか!」

「はいぃ」

「持ちました」


ルアが家を出る手前で確認をする。


「お茶とジュースはありますか!」

「うんっ」

「あります」


それにしても、その格好可愛いなぁ~。


「ルアも全部ありま~す!」

「ルマもあるぅ」

「パパもあるよ」


それぞれのリュックにお弁当とお茶を入れてある。

僕は三人分のジュースと自分のお弁当、シート、ゴミ袋を持っている。

車ではないため、持ち物の数や重さには厳しくする。

つまり何が言いたいかと言うと、必要最低限のものを持って行くということだ。


「ルマお花とりたい」

「花冠作る?」


お花は……手で持って帰らないとな…。
何かに入れたとしても潰れるからな。


「ルアに作り方教えて~!」

「あぁ、いいよ」


ユイに教えてもらったやり方、しばらく作ってないけど今でも覚えてる。


「じゃあ、いってきます」

「いってきま~す」

「いってきますぅ」


三人の声が家の奥まで響いた。


その後に続き「いってらっしゃい」と澄んだ声が、扉と閉まる音と重なり、彼らには聞こえなかった。