巣に還る蟲。

「滑稽だと分かっている」

「そうは思わないけれど」

「だから嫌いなんだ」

「ええ、そうでしょうね」

「遠ざけようとしても、やって来る」

「そんなに執拗だったかしら」


朧君が深く嘆息する。


「本当に、気が触れている」


……嬉しいわ。