巣に還る蟲。

「覚えていたのか」


脳裏に蘇るのは、あの日の会話。


「忘れないわ」


朧君と共に有る想い出。


「根に持っていたのか」


その事実が誇らしい。


「言うなって……言ったのよ」


そして互いに沈黙する。


「……」


空気が揺れる。


「逝くな」


沈黙を破ったのは朧君だった。