出会いの“キセキ”



「俺、花火大会ミアビと行くから」

「えっ?いや……
良いですよ。そこまでしなくても……」

「そこまでするし。
……てか、俺ミアビと行きたい(笑)」

「……」

「ま~嫌だったら良いけどね」

「………」


嫌じゃない。

…けど、私は彼女じゃないよ??

それに…

また付き合いたくなるから……


私は答えを出せずにいた。


「もしかしてマイちゃんと行く?」

「マイはショウヤとなんで……」

「そっか…」

「楓さんは……?」


一瞬カズキさんは驚いていた。

「俺と行きたがってるみたいだよ…
何回も誘ってくるし…」

「そりゃあ…彼女ですからね…」

「………」

「………」


「けど……
楓と行く気は無い」


私はこの時…ほんの少しだけ思った。

“カズキさんと花火大会に行って
 楓さんに見つかれば…
 嫌がらせはひどくなるだろう…”

と………。


けど…カズキさんの気持ちに、
応えようと思った。

「じゃあ…」

私が口を開いた。


「ん?」

「よろしくおねがいしますっ……」