出会いの“キセキ”


その日の部活は
やる気が出なくて、怒られっぱなしだった。

ミナミさんや部員の人たちが
心配してくれたけど、

「何もないですよっ」

と、作り笑いでごまかした。

その度に、マイは目に涙をためて
私のことを見つめていた。



私の心には大きな穴が開いてしまった。

その穴からすきま風が吹くように…
カズキさんに暖められた心は
みるみるうちに冷めていった。



その日、家に帰ると
宿題を適当にすませて、お風呂に入った。

そしてベッドに入った。

ケータイを開くと、

“受信メール 2件”

かずきさん……から…?


少しの期待は裏腹に、
知らないアドレスからのメールだった。

そしてもう1通はマイから。

はじめにマイからのメールを開いた。

『お願いだから…
いつものミアビに戻ってよ
 片想いしてる気でいれば良いじゃん…』

片想い…?

そうだよね…

そうすればいいんだよね…

けど、私は、あの幸せな日々を
忘れることはできずにいる。

そんな中で片想いなんて…
無理だった。


そして、知らないアドレスからの
メールを開いた。