「と、とにかく!!覚悟しててね、紀田!!」




「前にも言ったろ?…………望むところだ………。」




相変わらずのこの無表情




いつか絶対こいつの
苦痛に歪む顔を
写真に収めてやる!!



私と紀田が目で睨み合いながら
火花を散らしていると……





キーンコーンカーンコーン




チャイムが鳴り響いたーーー




それと同時に
いつでもやる気のなぁ~い
尼川先生が気だるそうに
入ってきて喋る……





「よぉ、お前ら久しぶりだな。あー、とりあえず挨拶とかめんどくせぇから…みんな席つけー」





本当………
どうにかならないのか?
この先生………




私は呆れた眼差しで
先生を見つめる




しかし、そんな視線に
気づいていない尼川先生は
話を続けた。




「あと…転校生を紹介すんぞー」





尼川先生の言葉に
回りのみんながはしゃぎ出す




「可愛い女の子がいいな!!」




「イケメン男子がいい!!」




「いや、イケメンは紀田一人で十分だ!!」




「男子ばっかじゃないの?ソレはソレ、コレはコレ」




みんなの期待が募るこの教室に
無事、転校生は足を踏み入れる
ことが出来るだろうか?




私は……ただただ
それだけを心配していた。





「はい……じゃあ転校生入ってこーい」




尼川先生の合図で
転校生が教室に足を踏み入れる




みんなが転校生に注目する




お、入ってこれたか!
勇気ある人だなー




私も自然と転校生に目を向ける




そしてその姿を視界に納めて
私の思考回路は一瞬
フリーズした




え?どうして?




そんな私の異変に気づいたのか
紀田が私を見るが



私は………目の前で起きてる
現状に目が離せなくて
ただただ呆然と転校生を
眺め続けたーーーーー