紀田の言った通り
別荘前には綺麗な青い海が
広がっている……
なんか……この付近の
海一体は紀田家の
所有地だとか何だか………
ありえなく金持ちだなww
でも、なんか観光地とか
遊び場として、毎年多くの方に
いらしてもらってるらしい………
私と鈴が歩きながら
2人を探していると
「ねぇねぇ!」
いきなり話かけられた。
振り向けばそこには
ヤンキー張りの強面
お兄さん2がニヤニヤと
怪しい目付きで私たちを
見ているではないか………
私は鈴を庇うよう前に立ち
「何かご用ですか?」と
冷たくいい放つ
「君たち可愛いねぇ…お兄さんたちと遊ばない?」
「生憎…待ち合わせしてる人がいるので」
「彼氏?…………いいじゃん、そんなのほっといて俺たちと遊ぼうよ!いいこと教えてあげるからさ……」
そういって私の肩に
手を置き腕を掴む………
ヤダヤダヤダ!!!
怖いよ!助けて!
紀田っ!!!
そう強く願った刹那
ドスッ
という鈍い音と共に
「俺のゆあに気安く触ってんじゃねぇよ…」
ドスの効いた酷く低い声が
鳴り響いた………
「紀田っ!!!梓くん!!!」
私は鈴を連れて2人の
元へ走る………
「何すんだテメェ!」
殴られた方の男が
怒りに満ちた形相で
紀田に怒鳴りつける
しかし紀田はそれにも勝る
くらいの黒いオーラを放ち
男の手を思いきり捻り上げる
梓くんも男たちを
鋭い目付きで睨む
「い、いででででっ!!」
男は目尻に涙を浮かべながら
残念すぎる悲鳴を上げた
「次、ゆあに気安く触れたら………この腕……いや、お前…どうなるか分かってるよな?」
目だけ笑ってない
にこやかな笑顔で
紀田が淡々と告げる
「わ、わかった!わかったから、離せ!!」
「離せ………?ちげぇだろ………離して下さいだろ?」
「は、離して下さい……」
相手は私たちなんかより
何歳も年上なのに
紀田は怯える様子もなく
むしろ相手を従えている……
「しょうがねぇな………」
そう言って紀田が
手を離すなり
颯爽と逃げてく
強面お兄さんたち
ダッサ…………
それにしても紀田強すぎ!!

