「うるせえな………。はぁ………冗談に決まってんだろ?オス猿には冗談も通じねえのかよ」
呆れ顔で私を見据える
なーんだ………冗談か………って
私、完全に遊ばれてるよね?
もて遊ばれてるよね!?
「……ってゆーか、別荘勝手に使っていいの?」
私がふと思いついた
疑問を投げ掛けると
紀田の表情が一瞬固まった
「あー全然大丈夫。親が俺専用につくったやつだから………」
そしてどこか悲しそうな顔で
遠くを見据える紀田………
あの時にもあった………
何故そんな顔をするの?
何がそんなに貴方を苦しめてるの?
でも………それらの言葉が
口から出ることはなかった。
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そして今に至るーーーーー
別荘につくなり男女別に
部屋に入り水着に着替える
「ど……どうかな?」
ビキニを着るなら
もう少し痩せておくべきだった
と今さらながら後悔する………
「ゆあ、可愛い!」
そう言って私に抱きつく。
「りんのほーが可愛いっ!」
それは紛れもない事実……
私よりも少しばかり低い身長に
大胆に露出された白い肌
フリフリピンクのビキニ
なにより鈴は凄く
顔が整っている……
おまけに性格も良い
部屋から出ると既に
紀田と梓くんの姿はなく
私と鈴も別荘を飛び出した。

