「もしもし…」




「あ、梓くん?あのさ……紀田の連絡先知らない?」





「紀田くんの連絡先なら………ごめん知らなかった……」




「そっか………」





梓くんも知らないなんて
一体どうしたらいいんだろう………





私がしょんぼり肩を落としていると





「なんで、紀田くんの連絡先が必要なの?」




梓くんが聞いてきた。





「あー、みんなで夏休みに旅行行こうって鈴と話してて………」





いや、本当は二人だけの
つもりだったんだけど………





「ふーん、その話の程からすると鈴ちゃんも来るって事だよね……」





「まあ、そうだけど………ってもしかして!?」





「そう、僕ね……鈴ちゃんのことが好きなんだ」





ちょっぴり恥ずかしそうにいう
梓くんは何だか可愛いなぁ………





ってちがぁああああう!!





「え!?まじ?うそ!いつから!?」




「ちょ…ゆあちゃん食いつきすぎ」



あまりの食いつきぶりに
梓くんが呆れ声になる




だってだってだって!
びっくりするじゃん!



「じゃあさ、梓くんも来るよね?」



「もちろん………」




「話はその時聞くね!じゃあ、私は直接紀田ん家行ってくるから、また今度ね!」




「うん…またね」




梓くんの返事を聞くなり
すぐに電話を切って
私は紀田の住む高級マンション
へと向かった