ーーーーーーーー


「ねえ、柚。」


「何?」


「柚は将来の夢とかある?」



「何だよいきなり」



リビングでくつろいでいる
柚に話しかけると



不機嫌そうな顔をする。



「何よ、その顔。なんとなくだよ、なんとなく!!」



「あそ。あるよ…夢。俺、歌手になりたい。バンドくんでるからバンド仲間と一緒にデビューするのが夢」



私より年下の柚でさえ
ハッキリと自分の進路を
決めているんだ…



「姉貴は?」



「ふぇ?」



突然の質問返しに
間抜けな声を出す…



「私は…まだ決まってない。」



「ふーん、てっきり姉貴は声優とかでも目指してるのかと思ってた。よくナ○トとかの声真似してたじゃん」



「え…声優?」



確かに私はアニメが好きで
よく声真似とかしてたけど
今までそんなこと考えたこと
なかったーーーーーー。



「姉貴、声優目指せば?簡単になれるもんじゃないし、辛いことたくさんあると思うけど…。姉貴なら目指してみる価値あると思う…。」




そう言ってニカッと笑う柚



私が声優?
全く想像がつかない。



「俺の夢も簡単になれるもんじゃないから、姉弟同士デカイ夢目指そうぜ!!」



柚はそう言うけれど



「うん、考えとく!!」



私にはまだ自分の
したいことが



よくわからない…。