「これ…」



驚き過ぎて間抜けな顔で
口をパクパクさせる私に



「なにその不細工な顔」



と一言。



「ひどい!!紀田のバカ!!」



でも正直かなり嬉しい!!


「それ一応ペアリングだから。肌身離さずつけとけよ…」



ちょっと照れがおで
そう言ってプイッと
ソッポを向く


そんな紀田の仕草が
可愛くて


「うん!!大好き!!」



今度は私から抱きついた。


「うぉ!いきなり抱きつくなよ!!」



「自分は好き勝手に私に抱きつく癖に?」



「うっせ。それは俺様にだけ与えられた特権なんだよ!!」



「何それ…」




二人でバカな事を
言いながら笑い合う。



「じゃあ、そろそろ行くわ…」



ゆっくり立ち上がると
私のおでこに軽く
ちゅっとキスをする



「待ってるから…。ずっと…。頑張ってね」



私の言葉に笑顔を見せると
背を向けて手を振り歩き出す。



彼が何をしにアメリカへ
行くかなんてわからない…



でも、そんなこと
今の私にはどうでもいい。



必ず帰ると約束してくれた
彼との唯一の繋がり



私にはこの指輪がある…



待つよ…裕也
ずっと貴方を待ってる。



だから無事に帰ってきてーーー。



窓の外を見ると
日が暮れて綺麗な
夕日が姿を見せている。



何故だか私は
暖かい気持ちになって



指輪がはめられた手を
握って目を瞑ったーーー。