「何で…そんな話になってんだよ!!!」
いつも口調の優しい
梓くんが今日は何だか怖い。
「俺が鈴を嫌いになるなんて、ぜってぇ、ありえねーから!!」
ぎゅううっと
私を強く抱きしめる
梓くんの手は震えていて
それが本気だってこと
すぐにわかった。
神経を伝って心に響く
いつもは自分のこと
僕って言うくせに
いつもは私のこと
鈴ちゃんって呼ぶくせに
こんなときだけズルいよ………
でも、私だって
譲る気はない。
「本当に?」
「当たり前だろ!」
「じゃあ、どうして別の女の子と一緒にいたの?」
「え…………」
「私、見ちゃったんだ……たまたま帰り道に………」
どうしよう涙が止まらない。
「ごめん………」
ごめんって何?
「どうして?私が好きなのに?」
「ごめん、あれが誰かも理由も全部言えない…………」
どうして?
私を好きなのに
あの子にまとわりつかれる
必要があるの?
梓くんにとって
私ってその程度の
存在なのかな?
梓くんの好きって何?
「わかんない。私、梓くんがわからないよ!!!!!大嫌いっ!!」
私はそう叫んで
走り出したーーーーーー
今の自分の気持ちが
汚くて嫌い
隠し事をする
梓くんがイヤ
梓くんなんて
大嫌いっ!!!!

