「違う」
俺の気持ちが
まるで伝わってない。
「え?」
「ゆあは分かってない。」
本当に分かってないよ………
俺はゆあを引寄せ
キスをする
これでわかった?
鈍感なゆあさん。
「これでわかった?むしろわかってくれなきゃ困るよ」
それだけ残して
俺は去ったーーーーー
「あ、おい!桜庭!」
「何?」
「ゆあは?」
「渡り廊下にいるよ」
「そうか」
「なあ……………」
お礼も言わずに
走り出そうとした
紀田を直ぐ様呼び止める
「あ?」
「俺と勝負しろよ」
「はぁ?」
何言ってんの?と
言わんばかりの
表情で俺を見る彼に
「体育祭の全員リレーでアンカーになって俺と勝負しろ」
鋭い目付きで
睨み付けながら言う。
「なんかよくわかんねえけど、望むところだ」
彼は不敵に笑うと
走りだしたーーーーー
紀田…………俺に負けたら
ゆあは諦めてもらうぜ………

