まあ、そんな紀田が
好きなんだけど………




「何見てんの?」




「は!?別に見てないし!」




「あんま見てっとキスすんぞ」





そんな言葉を
悪魔スマイルで
さらっと口にしながら
顔を近づけてくる





「見てない!見てないから!」




必死に否定しながら
慌てて両手で
顔を覆い隠す。





するとーーーーーーー






「あ、お前だけクラス違う」





いつの間にか私から
顔を離した紀田が
目の前に広がる
クラス別け表を見て
小さく呟くーーーーー





「え?」





「あ、本当だ………」





「どんまいだね、ゆあちゃん!」





私の後ろに続いていた
鈴と梓くんも言葉を漏らし





私の視線が
クラス別け表へと移って





自分の名前を探す。





あった!





六組だ。





でも、上から下まで
見ても紀田や鈴の
名前がなくて…………





ってぇえええええええ!?





何で!?





何で私だけ仲間外れ!?





「あれだな、日頃の行いが悪いからだ」





「は?は?」




「早くしないと置いてくぞ?」





「ゆあ、早くっ!」





呆然とする私をよそに
紀田たちが歩き出す。




新学期そうそう
なんてツイテナイ女
なんだろうか?





私は己の運命に
絶望しながら
みんなの後を
追いかけたーーーーー





ーーーーーーーーー




紀田以外のみんなに
慰められながら
一人とぼとぼと
得たいの知れない
未知の教室へ足を
踏み入れる







あの人も、あの人も、あの人も
全然、知らない人ばかり!!





何しろ紀田とクラス離れたのが
いちばんショック!!!





でもクラスが隣なだけ
幾分かマシだとは思うけど






この状況ーーーーーーーー





このクラスで1年
過ごしていける自信が
まるでない!!





そんな哀れな私を
神は見捨てなかった。





チャイムが鳴り
担任と思わしき人が
入ってきて挨拶をする





「これから一年、六組の担任を務める………………あー、もうめんどくせえ。」





って………………………
尼川先生かいな!!