だからもう二度と
私から離れないように
二人を引き裂こうとした。





だけど全てが
裏目に出てしまい
結局………





裕也を危険な目に
遭わせてしまった。






「裕也」





私の消え入りそうな一言で
ゆあちゃんが裕也から離れていく






ゆあちゃんは
本当、真っ直ぐで
汚れのない優しい
女の子だと思う。





それに比べて私は………。





裕也が今も大好き。





だからこそ…………






「裕也………私のせいでごめんね」






「別に。対したことねえし。」






私の目を見ようとも
してくれない彼に
傷ついてる自分が
滑稽すぎて笑える





「今までごめんなさい。私はずっと裕也が好きだった。でも、これで終わりにしよう………」





どんなに謝ったって
あの頃には戻れないし
許されないのもわかってる。





「要がそれでいいなら………俺は構わない。正直、親のしたことも、お前らのしたことも許せねえし、許す気ねえけど…………でも、"あの時"お前を好きだった事に変わりはないから。」





けれど私の言葉に
裕也は目を合わせて
真剣に言葉を繋げる




"あの時"




その部分がやけに
強調されてはいたけど





裕也の気持ちが
本物だったって
知れただけで
もう十分だ。





「ありがとう。さよなら」





精一杯の笑顔を彼に向けて
彼に手を差し出す





「ああ、じゃあな」





けれどその手を
取ることはせず





かわりに昔と同じ
笑顔を私に見せてくれた。





これで良かったーーー
最後に最高のプレゼントを
ありがとう





どうかゆあちゃんと
幸せになって。





きっと彼女なら
いろんな外敵から
裕也を守ってくれるような
気がするーーーーー






私の犯した罪は
消えないけれど





私の償いは





兄の昴を説得する事だーーー






去り際にゆあちゃんに会った。





「ゆあちゃん……」




「お話し出来ましたか?」





「うん。ごめんなさい……そしてありがとう」





「いいえ………じゃあ。」





「あ、待って!もうひとつ!」





「何ですか?」





「裕也を宜しくね」





ゆあちゃんは一瞬
驚いたような顔をしたけど
直ぐ様それを笑顔に変え





「任せて下さい」





と親指を立てた。






ありがとう。ゆあちゃん…





溢れそうな涙を
必死に堪えながら
私は病院を後にしたーーー





要side end