あの日助けて
もらったのだって
全て計画だった………
なのに裕也は
どんなときでも
私の味方でいてくれた
あの両親から生まれたとは
思えないくらい優しくて
強くて真っ直ぐで
義理堅くて………………
いつの間にか裕也を
愛していたんだーーー
憎しみよりも深い愛情。
でも、それは許されなかった。
裕也と一緒にいて
無意識に私の顔が
綻ぶ姿を見て
兄は私に言った。
「まさか…………お前。裕也が好きなのか?」
「な、何言ってるの!?そんなわけないじゃん」
「だよな………要はバカじゃないもんな。」
「そうだよ、心配しないで!お兄ちゃん!」
「でも、もし万が一そんなことがあったら、俺は要でも許さないよ?」
笑顔なのに目が笑ってなくて
その口から出た言葉に私は
恐怖を覚えたーーーーーー
たった一人の肉親
兄を失ったらもう
私には何も残らない
気持ちを消そう
そうは思っても
消えてはくれなくて
むしろ募るばかりで
私は必死に隠した。
惑わされないよう
本来の目的通り
裕也の心をズタズタに
引き裂いて
側に置いとくように
仕向けたーーーーー
どこかで安心していたんだ。
裕也はもう二度と
まともな恋愛は出来ないって
勝手に決めつけていたーーー
だからあの夏の日
裕也が私に見せて
くれなくなった笑顔を
あの子に見せているのを見て
苦しかった。
そして無償に腹が立った。

