となりの紀田くん




「全部、要さんのせい!!絶対許さないから!!」






「ごめんなさい……まさかこんなことになるなんて………」






うじうじと泣きじゃくる
要さんにはもはや
苛立ちしか感じない






「泣くぐらいなら最初からしなければ良かったこと。でも彼を本当に好きなら、まずは彼の無事を願って下さい!!謝るのはそれからでも、遅くないでしょ?」






私の言葉に要さんは
静かに頷いたーーーーー






ーーーー数時間後ーーーーー





集中治療室の扉が開き
中から先生が出てきた。





「せんせ………「ったく大袈裟だな………」






私が先生に向かって
話しかけるより先に
紀田が仏頂面で
室内から出てきた。






「こら紀田くん!!まだ手術したばかりなんだから寝てなさい!」





「あ?だから平気だって言ってんだろ?何度も言わせんな!」






「きだぁあああああ」





そんな彼に私は
思いきり抱きついた





良かった良かった!!
元気に生きてるよ!!





「うおっ、ゆあ!」




「死んだかと思ったじゃん!」





「俺があんぐらいで、死ぬわけねーだろ」





と優しく微笑みながら
私の頭を撫でる………





「裕也…………」





私の後ろから要さんが
紀田の名前を呼ぶ。





今は二人にしてあげよう…。