となりの紀田くん




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「へえ、そんなことが……」




「うん」





「まあ、俺としては嬉しいよ!」





「え?」




「姉貴、紀田と一緒なら幸せになれる気がするし、俺も協力する!」





ちょっと待って。
柚がおかしい。





「柚、どっかに頭打ってきた?」





「はぁ?」





私の言葉に柚が
眉をひそめる




「だって、今まで恋愛系で私に協力してくれたことなかったじゃん!ゆあは俺のだ!とか言って………」





まさか柚から
そんな言葉を聞けるなんて
思ってもいなかった。





「今だって、ゆあは俺のだよ」





「いや、違うけどね」





「ツッコミ早!!」





「で?」





「とにかく、今もこの俺様定理は変わらないけど、紀田になら任せられる気がするんだよ」






俺様定理とか
よくわからないけど
とりあえず





「ゆずっ!ありがとっ!」





私は首に回されている
腕を思いきり引っ張って
柚を力いっぱい抱き締めた。





「ちょ、まじ苦しい!!」





「柚、大好き~」




「ったく、こんな時だけ調子いいんだから」





柚は薄く笑って
私の頭を撫でてくれた。





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その後、優亜の部屋を出た柚は






「姉貴、ちょっと無防備過ぎないか?さっきだって胸がめっちゃ………って何を考えているんだ俺は!!」






自室で延々と悶えていた…………。