何今の?幻聴?
紀田はもしかして………
「勘違いすんなよ?離さないってのは、俺の下僕としてって意味だからな。」
「は?」
紀田の発言に
口をあんぐり開けて
思わずアホ面に
なってしまう
幻聴ではなかったけど
どうやら意味も違うようで……
ってそうじゃない!!!
なんで私が紀田の下僕に
ならなくちゃいけないわけ!?
「まじ、最低最悪!あんたの下僕になるつもりなんてないから!」
「最低最悪で結構。つーかアホ面お猿さんに言われたくない。」
さっきみたいな
意地悪スマイルを浮かべて
私を見つめる
やっぱ笑ってんじゃん。
私は紀田を思いきり
睨み付けながら
寝転がり出した
紀田に続いて私も
寝転がる
「とりあえず、明日楽しみにしてろよ」
広く澄み渡る青空
雲ひとつない晴天を
真っ直ぐ見据えて紀田がいう。
まあ、この無理矢理感が
納得いかないけれど
紀田とデート出来るなんて
絶好のチャンスかもしれない
ここはあえてーーーーー
「うん」
と返事をして
私も空を見る
空ってこんなにも
綺麗なんだ。
私はふと
そんな事を思ったーーー
ーーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音で目覚める………
目覚める?
目覚める!?
私、寝てた!?
ガバッと起き上がり
隣を見る
「はよ」
「はよ……じゃないよ!!何で起こしてくれなかったの!?」
気づけば放課後で
生徒たちが次々に
下校している姿が見える。
「起こしたよ何度も……起きないお前が悪い」
「うっ」
確かにそれは
ごもっともで
ございます…………
「うわぁああああああ、ありえない!!よりによって苦手な教科の授業までサボるなんて………」
「俺が教えてやろうか?」
「いえ、結構。あんたに頼るなんて絶対したくない!!」
「あそ……てか早くしないと置いてくぞ」
いつの間にか立ち上がって
ドア方面に歩き出した
紀田が顔だけを私に向ける
「え、ちょっ、ちょっと待ってよ!」
私は慌てて立ち上がって
紀田の後を追いかけたーーー

