まあ、紀田にとって
この行動は
ただのからかい?
って言うのかな………。
とにかく特別な
意味は無いんだと思う。
「つーか、クリスマスイブ明日じゃん!!」
「今さら?」
紀田が呆れた様子で
イスから立ち上がる
「え、もう授業始まるよ?どこ行くの?」
「サボる」
「あんたねえ………」
紀田を白い目で見ながら
次の教科の準備を始める
「お前も来い」
「は!?」
突然の言葉に
驚きの声が出るが
そんなことお構いなしに
私の腕を掴んで歩き出す
「ちょ、鈴!助けてっ」
「大丈夫、先生には保健室に行ったって言っておくから」
と笑顔で手を振る鈴。
え、いやちょっと待って!
鈴いつからそんな親友見捨てる
酷い子になったの!?
はっ!!これも全て
紀田 裕也の仕業だな!!
私の鈴まで洗脳するとは………
絶対、許さない!!!
なんて考えているうちに
いつの間にか屋上まで
連行されていて………
「何故に屋上?」
「サボるときは普通、屋上だろ」
「いや、私サボるなんて言ってないんだけど!勝手に決めないでよ!」
「いつだって、お前に拒否権は、ねえんだよ」
と維持悪く笑う。
なんかさ……
「紀田ってよく笑うようになったよね………」
「あ?笑ってねえよ」
「さっき笑ってた!!」
なんか心を開いてくれてる
みたいな感覚が凄く嬉しい。
「仮に笑ってたとしても………お前以外には見せねえよ」
ちょっと俯き加減に
紀田が呟く………
「紀田?」
ぎゅっ
ちゅっ
紀田の顔を覗こうと
近づいた瞬間
抱き締められて
唇が重なる
青空の下、屋上で
二人はキスをーーーーーー
って何かの少女漫画か!!
なんなんだこの展開!
ヒートアップしていく私の顔
触れば熱くて
きっと林檎みたいに
真っ赤なんだろう……
「紀田、何して………」
「今度は離さないから…」
彼は真剣な口調で
私の耳元に向かって
囁いたーーーーー。

