となりの紀田くん




「てっきり紀田は、昨日の事………気にしてないのかと思ってた」





「あ?」





やっぱり気にしてない
わけないよね……





紀田…………
あんた少しくらい
柔らかい表情が
出来ないわけ?




と心の中で呟く






「だって、悠斗と普通に話してたから」







「あー。だって、そうでもしないと羽麻たちに怪しまれんだろ?」






「ああ、そっか!」





紀田の言葉に
納得する私。




っていうか要さん………





あんなところで立ち止まって
一体何をしているんだろう?





「要、お待たせ」





私がそう思うのと同時に
要さんの前に人が現れた。





あの服装と
声からして





悠斗…………





だって事が一発で
分かったーーーーー




悠斗の登場で
歩き出す二人




「おい、尾行すんぞ!」




「え?ちょ、紀田!!」





私の言葉を聞き終えない
うちに歩き出してしまった。






ああ、もう!!!
尾行なんてしてどーすんのよ!?





私は頭を抱えながら
仕方なく紀田に
着いていく事にしたーーーーー





ーーーーーーーー




着いた先は旅館………





って帰ってきて
もうてるやん!!





ああ………京都を
満喫する予定だったのに………





さようなら私の時間





私はガックリと肩を落とした。





旅館内に入って行く
要さんと悠斗





そこには女将さんが
待ち構えていて





二人を誘導する。





どうやら先生たちもみんな
京都の町へ繰り出している
ようだ……………