皆と言っても残ってるのは
私の所属する班だけで
他のみんなは先に
行ってしまったらしい。
「おっせえんだよ。バカ猿」
紀田が毎回の如く
不機嫌な顔で私を貶す
「猿じゃねえっつーの!!」
コツン
「痛い!!」
急に頭を小突かれて
眉間に皺を寄せる
「寝坊助が逆らうな」
おのれ、紀田!!
私の頭を小突くなんて
いい度胸してるな、おい!!
「いいから、お前ら早くしろよ」
私と紀田のやり取りに
痺れを切らした羽麻くんが
冷めた目で見てくる
こちらにもいらっしゃいました
不機嫌な殿方様が……
「羽麻くん、ごめん」
「先生が睨んでんぞ………」
羽麻くんの言葉で
やっと尼川先生の
視線に気づく私達
すぐさまフロントから
逃げ去ったーーーーー
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今日は班ごとに
京都の町を自由行動
することに決まっている
私たちの班は
男女3人ずつの
6人班
メンバーは
・私
・鈴
・平山さん
・紀田
・羽麻くん
・悠斗
私は夜中の出来事を
思い出して
チラリと悠斗を
見てみるが
まるで何事も
なかったかのように
紀田と話してる
紀田も紀田で
気にしてないのか
悠斗への態度が
いつもと変わらず
普通だーーー
気になってるのは
私だけなの?
真相が知りたい…………
そう思ってるのも
私だけ?

