となりの紀田くん




「あ、危なかったー」






私はホッと一息ついて
冷や汗を拭う






「危なかったー……じゃねえだろ、お前はバカか?」






心底、不機嫌そうな顔をして
私を見下ろす







「ご、ごめん。つい………てか、降ろしてくんない?」






「あ、わりぃ」






私の言葉に素直に謝って
即座に降ろしてくれた






のはいいけど
なんかそっぽ向かれた!?






何?そんなに私が
嫌いなわけ!?






「紀田…そろそろ戻ろうよ」





「そうだな……」





でも、やけに素直な
紀田を見たら






そういうわけでも
なさそうで………





私たちは先生が
いないことを重々
確認してから





それぞれの部屋へと戻ったーーー






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温泉旅行2日目





「ゆあ、起きて!」





「んん……もうちょっと」





「ゆあ~!もう集合時間過ぎてるんだって!!」






「…………………え!?」






鈴の言葉に
飛び起きて
時計を見る





嘘っ!?






「30分も過ぎてるじゃん!!」





「だから、起こしてるのに」





「ごめん!」






私は慌てて支度をして
鈴と一緒に皆の待つ
フロントへと急いだ。