「いいか…絶対に喋るなよ」
紀田が私の口から手を離し
体を解放する
聞きたいことは
山程あるけれど
今は無理そうだ……
私は無言で首を
縦に振ったーーーーー
「話し声が聞こえるところまで移動するぞ…」
私の手を握って
物陰に沿って
歩き出す
ドキドキドキ
繋がれた手から
温もりが伝わる
一体いつぶりだろう?
紀田と手を繋ぐの……
そう思うと同時に
心臓の鼓動が高鳴る
「たぶん……てません」
「………じゃ、…………だよ」
悠斗と女将さん
二人の話し声が
徐々に聞こえてくる
一体何を話しているの?
「警察の方も私だと思うております。…死んだのは私の双子の妹なのに……」
「じゃあ、後はアイツを犯人にしたてあげるだけか?」
双子の妹?
アイツって誰?
こんがらがるばかりで
何一つ理解出来ない

