となりの紀田くん




「じゃあ、たまには……まともなこと言ったら?」




「うわー、ゆあ鬼!!鈴ちゃん助けて」





「こら!誰が鬼だ!」




「悠斗くん、ゆあ怒らせたら怖いよー?」




「あはは……知ってる!」




「ちょっと、りんっ!」





3人でいつも通り
会話をする………




悠斗も私と紀田が
別れたことは知っている




こいつが望んでた
事だし、さぞかし
大喜びだろう……




しかし、悠斗にも
私たちの作戦は
バレちゃいけない。




キーンコーンカーンコーン




チャイムが鳴り響いて
やる気無し男の
尼川先生が入ってきた。




「あ、今日のLHRはなー、そろそろ竹中も学校に慣れてきただろうし、みんなの念願の席替えすんぞー」




せ、席替え!?
ちょっとまってよ!!





「「「おっしゃぁ!!」」」




「やっとやる気になったのね!尼川先生!紀田くんの隣は私よ!」




「いや、私でしょ!?」






男子の叫び声と
女子の醜い争いが
飛び交うなか




席替えは始まった。




ーーーーーーーーー




「くじ引きなんて、ありえない!普通、自由席でしょ!?」





「じゃあ、やんなくていいぞ?お前の席ずっとあそこな」





「う、嘘!尼川っち許して!」





クラスメート1と尼川先生の
やり取りをぼーっと
眺めながら順番を待つ





席替え………




まあ、くじ引きだし
平気だよね?





「はい、次……内倉」




「はい」





名前を呼ばれて
教卓へ向かう




紙を一枚取り
席へ戻って




紙を開く………




32………



窓側から二列目の
後ろから二番目か。