となりの紀田くん



「お前が望んだ通り俺たちは別れた………ゆあから別れを告げられた………お前のせいでな」





「私のせい……?ハッ、笑わせないで。じゃあ誰のせいで私の両親は死んだの?」





乾いた笑みを溢す
しかしその目は
まったく笑ってない




どこまでも残酷で
えげつない人間だな……




不知火 要(シラヌイ カナメ)ーーーーー





「それに裕也……あんたは、やっぱりバカだ。あはははははははははははーーーーーーーっ!!!」





狂ったように笑い出す要に
俺はゾクゾクと寒気がした




こいつは本当に
恐ろしい奴だ。





「本当にそれが私の望みだと思ってるの?」




「どーゆー意味だ?」




「私の望みはそんなことじゃない………裕也、あんたをもう一度どん底に突き落とすことだよ。二度と這い上がってこれないように」





その美しさからは
想像もできないほど
恐ろしい形相で
俺を睨みつける




俺の腕はその威圧感に負け
思わず掴んでいた胸ぐらを
離してしまったーーーーー





「あんたは私には逆らえない。あんたも、あんたの両親も許さない。」





要はそれだけ言うと
掴まれて崩れた制服の
襟元を直して去って行った。





「許さない………か」





俺は夜空を見上げた




綺麗なオリオン座が
キラキラと輝いている




要が何を企んでいるかなんて
まったくわかんねぇけど




ぜってぇ優亜だけは
傷つけさせない。




近くで俺が守り続けてやる





今度はゲームじゃない
本気でお前を手にいれるから





それにはまず………




要……あいつをなんとか
しないと…………





俺はギュッと拳を握って
再び歩き出したーーーーー