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昼休み、屋上にて。
「ああ、もうどうすんのよ!!」
鈴が委員会で
居ないのを良いことに
私は頭を抱えながら
しゃがみ込んだ
「さあね」
紀田が俺には関係ないと
言わんばかりの冷たい言葉を
投げ捨てる
「なぁ………いいこと思いついたんだけど………」
悠斗が真剣な顔をするから
「何?」
つられて私も真剣になる。
「俺らが誕生日会を開くから、欲しいもの教えてって言えばよくね?」
「あ………その手があったか……」
私は自分バカさに
溜め息をついた
そしてーーーーー
「悠斗、天才っ!!!」
私は思いきり悠斗に
抱きついて髪をくしゃくしゃ
っと撫でたーーー
後ろで黒いオーラを
放っている紀田に気づかずに。
「おい」
紀田の酷く冷たい声が
私の耳元で響いた
上を見上げれば
紀田の顔がドアップに映る
わ!わ!わ!
気づけば後ろから
紀田に抱き締められるように
包まれていた
「目の前で、堂々と浮気するなんて……いい度胸だな、メス猿」
紀田の貶し文句に
いつもなら即答で
言い返すのに
今は…………
紀田の異様な迫力に
萎縮して言葉が出ない。
「お前………ちょっと来い」
はい。出ました、このパターン。
さようなら私のお弁当
愛してるよ私のお弁当………
半ば無理矢理引きずられて
屋上から出る
ドアの隙間から少し見えた
悠斗は顔を真っ赤にしながら
ボーッと突っ立っていた。
いや、本当…………
毎回思うけど
助けろよ!!!
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止まることなく
突き進む紀田。
はぁ………どこに
つれてかれるやら………
ついた先は保健室
ちょうど鈴が
委員会会議を終えて
出てきたところだった。
「紀田くんと、ゆあちゃん!?」
しかし声を発したのは
鈴の隣にいる梓くんだった
「なんで梓くんが、鈴と一緒にいるの?」
「なんでって…………僕、保健委員なんだけど?」
「あ、だからか」
私は納得して手を
ポンと叩く
梓くんて鈴と同じ
委員会だったんだぁ…

