それでも、先生が好きでした。






「なっちゃん?」



「ふぇ!!!???」



そんなことを考えていたからか

声をかけられたことに

ひどく驚いてしまった。



「ははっ


顔、真っ赤!」



あたしの名を呼んだのは

もちろん先生で


先生はあたしの顔を見るなり

そう笑い始めた。



「だって…!」



笑う先生に

何か言い返してやろうと思ったけれど



「……………」



何を言っていいのかわからず

黙ってしまう。



そんなあたしに

先生はまた笑い出して



急にジッと見つめてくると



「なっちゃんの好きな人だけ

分かんねぇんだよなぁ」



まるであたしの心の中を読み取ろうとするかのように

そう呟く。



「でも、絶対いると思うんだよね」



何も言わないあたしに

先生はさらにそう付け加えて



「頑張れよ〜」



なんて無責任に言ってから

また何処へと歩いて行ってしまった。





…頑張れって

どう頑張るの?



好きな人が先生だったら

結婚してたら

子供がいたら


一体、どう頑張ればいいの??



先生の姿が見えなくなるまで見つめていた自分が

なんだか情けなく思えて



あたしはフルフルと首を降ってから

盛り上がってるクラスの輪に飛び込んだ。