それから、13秒後。
「ね!?言ったでしょ!?」
ガバっと抱き着いて来た沙来に
あたしは唖然とするだけ。
沙来以外にも
あたしのクラスの誰もが
飛び上がっては歓声を上げていた。
もちろん、それは
拓哉が1位を取ったからで
しかも
断トツだったからで。
あんなに足が速かったのかと
あたしは驚いて声も出なかった。
「いっちばーーん!!!」
そう叫びながら応援席に戻ってきた拓哉に
みんながわっと集まっていく。
クラス中の男子から
ハイタッチやらビンタやらキックやらの祝福を受ける拓哉は
本当にキラキラと輝いていて
そんな拓哉を愛おしそうに見つめる沙来も
また輝いていて
そんな2人が
ちょっとだけ、うらやましかった。
「沙来!」
興奮が少しおさまった頃
拓哉が沙来に向かって手招きをする。
沙来はうれしそうに微笑んで
拓哉に向かって走りだすと…
なんと
そのまま拓哉に抱き着いた。


