それでも、先生が好きでした。






「てか、いつから好きなの?」



「っ!!」



あまりにストレートに発せられた”好き”と言う言葉に

思わずビクンと体が跳ねた。


そんなあたしの顔を

答えを促すように首をかしげながら

覗き込んでくる沙来。


必死に彼女の視線から逃れようとするも

沙来はお構いなしに顔を近付けてくるわけで


数センチほどになってしまった2人の距離に

あたしは観念して視線を絡めた。



「…わ、わかんない」



口をついた言葉は

自分でもびっくりするような小さな声。


だけど彼女にもちゃんと届いたようで



「わかんないの?」



驚いたように目を見開いた。



そんな彼女に、あたしは首を縦に揺らす。


だって本当に

いつから好きだったのかなんて

わからないんだ。



入学式で出会ったとき

あの瞬間に何かを感じたかと聞かれれば


”若い先生だなぁ”


なんて思ったくらいで。



よく、好きだなって思ったキッカケは…、なんて話している友達がいるけれど


”あたし、先生が好なんだ”


なんて気付いた瞬間など、記憶にない。