「はーい」

このとき、ちゃんと誰か確認すべきだった。


「え、先生?」


ドアの前にいたのは戸田先生。

何しに来たんだろう?


「わりぃ。シャワー貸して」

「え?」

「今、風呂場修理中なんだよな」


はい?

修理中?壊れたのかな?


じゃなくて!

だからって、なんで私の家なの!!


「なんで私の家なんですか」

「ん?隣だろ?いいじゃん」


よくないよくない!

絶対よくなーい!


「それとも、ダメな理由ある?」


あるに決まってんじゃん!


「生徒の家にシャワー借りに来る先生、どこにいるんですかー」

「ここにいるけど?」


そうですねー

ここにいましたねー


「はぁ…。今日だけですよ」

仕方ない、今日だけ貸そう。


このまま拒否ってても帰ってくれなさそうだし。


「サンキュー」

そう言って先生は遠慮なしに部屋に入ってくる。


少しは遠慮しようよー。