俺はとうかを体育館裏まで連れて行った。道中、どこまで行くんだよっと文句をたれていたが、校舎裏だと真白が嗅ぎ付けてきそうだから、体育館裏だと言うと、とうかは納得して、黙った。やたらと頬を赤らめ心臓を抑える姿を見て、何やら勘違いしているように見えた。
「とうかって友達がいたんだな」
 そういうととうかは怒った。
「当たり前だろ、友達くらい誰だっているだろうが、ばかにしてんかよ」
「そうだな、そうだよな」
俺にも友達がいた。確かにあの日まで友達よりも深い関係。親友がいた。今となっては本当にあいつが親友だったのかもわからないし、親友だと俺が一歩的に思い込んでいたのかもしれない。
「で、なんだよ、用事って、告白ならオッケーだぞ」おどけて照れ隠しのように言うとうか。
 やっぱり勘違いしているのかと俺は顔をふさいだ。こういうところが可愛らしいとは思うんだけど、
「告白なんかしない」ときっぱりと言い切った。少しだけ悲しそうに顔を曇らせるもじゃあ何の用事だよと少しだけ強い口調で訊き返すとうか。