ガチ恋

 真白はとても綺麗な声をしていると思うが、どうも大声を出すのは苦手なようだった。声帯がよわいのかすぐに枯れ果てたようなガスガスの声になってしまう。その声事態も俺は好きなのだが、癒し効果は半減していると思う。そのかわりなのか抑制する効果があるのかもしれない。
 詩織が俺に向かって叫んだ声は全くといっていいほど聞こえなかったことに比べて、真白の声は耳に残っていた。それがどうしてなのかわからないけれど、真白のおかげでやりすぎないようにできたことは確かだった。

 擦りむいて血の滲む手を見ながら痛そうな顔をする真白。
「大丈夫か?真白、帰ったら消毒しないとな」
 そういうと真白はこの世の終わりみたに暗い表情を浮かべて、
「いやだよ」と言った。