とうかの取った行動が必ずしも自分が思っていた方向に向かうとは限らない。まして、兄妹ということを吹聴すればするほど逆効果に向かっていった。
「くそくそ、なんでこうなるんだよ」とうかは俺の机をけりながら言った。
 兄妹だと言いまわったことにより、真白との関係が1年生の間で、いやらしく想像されることになっていて、そんなはずではなかったと言いたいとうかは、俺の机に八つ当たりしている。
「あのなー血のつながらない兄妹が一緒に暮らしているんだから、こういう噂が立つことくらいわかるだろ」
 そういうととうかは真白を睨みつける。
「なんで、毎回毎回、お前は当然のように夏希の隣りにいるんだよ、これだから変な噂が立つんだろう。それとも噂じゃなくてお前らそうい事してんじゃないの?」
「してないよ」
すぐに言い返す真白の姿を見て、成長したなと俺は感心する。