昼休憩に入ると決まって真白が凄い勢いで俺の教室を訪れる。目的は俺に弁当を届ける事と、一緒にお昼ご飯を取るためにだ。陽気的に日差しが強くなっていて真白は少し汗ばんでいる。
「お前なー、走ってくる必要はないんだよ」
「だって、夏希はいつ居なくなるかわからないもん」
「あのなー俺が居なくなったのは一回だけだろう。それに女の子が汗だくなのはいかがなものかと思うぞ」
 そう言うと真白はなにを勘違いしたのか自分の脇あたりをクンクンと嗅ぎ出して、
「もしかして、私、臭い?」と、暗い表情を浮かべている。