「放せよ。財布を取りに行くだけだから」そう言うと真白の目が輝きを取り戻した。
「貸してくれるの?ありがとう。本当にありがとう。」
 こいつはいわゆる厄介オタクで地雷女かもしれない。俺はそう思いながら真白にお金を手渡した。が、真白は部屋を一向に出て行こうとせずに、いつもなら見るはずのない俺の目を見て何かを訴えていた。
「まだ何かあるのか?」
「うん、外はもう暗いでしょ。一人でコンビニに行くのが怖くて……」
「なら明日にしろよ」
「ついてきてよぉぉぉ」
俺は頭を抱えた。面倒くさい妹ができてしまったものだ。