ガチ恋

 目的地のファミレスに入り、店員さんの案内を腕で静止して、俺は父親の姿を探さした。キョロキョロしていると奥の席から振り返る父の姿がそこにあって、「夏希、こっちだ」と店内に父の声が響き渡る。

 父が座っている席には他にも人の姿が見て取れた。女性二人。誰だろうか。足取りは少し重い。同い年くらいの女性がそこにいるから。あの日以降、俺は同世代の女性がまじかにかかわるようなことにたいして過度なストレスを感じるようになっていた。緊張、そして体の震え。手汗もかいてきている。