引っ越し先をだれにも教えていないはずなのに現れた詩織に驚いて、言葉を失って、声を発しようとしても緊張で喉が潰れて声が出ない。
「久しぶりというのも変だけど、久しぶりだね」
そういうと、詩織は栗色の長い髪を恥ずかしそうにかきあげる。
 前よりも髪が伸びたな。と思い、やっぱり詩織の雰囲気は昔と変わらず清楚だった。この容姿に惹かれて俺は正樹の幼馴染であった詩織を紹介してもらったのだった。