五月下旬に始まった中間テストの返却が行われ始めた。言うまでもなく俺の成績は平均を少しだけ下回るが補修授業を受けるまでのことはなく、なんとか無事に乗り切っていた。その点数を見たとうかはケラケラと笑いながら「まじかよ、一学期の中間でその点数はやばくね」と軽くディスられた。一見すると見た目がヤンキーのとうかにまさか成績で負けるはずのないと思っていた俺はとうかのテストをもぎ取ってその点数を確認する。
「噓だろ」
どの科目も80点近くをとっている。なんでこいつがと俺はとうかを恨めしそうにみる。ネクタイはゆるゆる、髪は金髪。顔はまあ、派手というか化粧でそう見えるのか美人。悪を強調したいのか、シャツのボタンを数個止めていない。スカートだって太ももが強調されるくらいに短い。正直に言うと、その太ももから膝にかけてのラインはとても欲情を誘うくらいに綺麗だと思っている。だから自然と視線が無意識に下のほうにおりていくのだが…………視線に気づいたとうかがスカートを少し下げるような仕草をする。