田舎育ちの私たちは、そこにある自然全てが遊び道具だったから。オタマジャクシもミミズも帰るも素で触るのなんてへっちゃらだった。

家の中は大変だけど、なんとかご飯も食べていけてるし、こんな毎日がこれからも続いていくんだろうと、思っていた。

でも、自己破産は住む家すら奪っていった。車も無くなったな、そういえば。

引っ越しをせざるを得ず、なんとか小学校の校区内であることに変わりはなかったが、あの男の子と遊ぶことはもう亡くなったし、登下校が一緒になることなんてあるはずがなくなった。

結局卒業するまで1度もその子と同じクラスになることはなく、卒業し、中学生になった。

中学までは義務教育だから、皆同じところに入学すると思うではないか。なのに、その男の子の名前はなかった。

初めはああクラスが違うのかと思っただけだったが、隣のクラスにもその隣のクラスにも彼の姿は無い。
友達伝てで聞いた話は、彼はバスケの強い隣町の中学校へと行ったらしい。

彼が小学生の頃から、地元のジュニアバスケチームに入ってたことすら私は知らなかった。

そうして、私たちの細い糸で繋がった関係は終わった