梓先輩はデート以来なにも進展していない。
『気になってる宣言』も本当のことか、わからなくなった。
「お前こんな問題もできねぇの。ばっかじゃん」
はい…ごもっともです。
「んー全部おしいなぁ。でももうちょっとだから!」
梓先輩…。
「あぁ!また。こんなのかんたんじゃん」
「もうちょっと!がんばって」
ってゆーか、ツンデレ?
「帰んねぇ?」
あたしの勉強のじゃまするのにも飽きたらしい伸先輩が携帯をいじっていた。
「そだね。帰ろうか」
今の時刻は夜の九時。
よく考えれば、夜の学校って怖いかも…
「明日も勉強する?」
先輩たちが教えてくれたらうれしいけど、今日だって部活終わってからだし疲れるよね。
「ええとっ…だいじょうぶです。ほかのひとに教えてもらうから…ありがとうございますっ」
「そなの?がんばってね」
「………」
明日どうしよう。
理香にむりやりでも頼み込もうかな。

