唇がくっつこうとしたところで、伸の顔が近づいてきた。



そのまま、伸のペースになる。




キスが終わって。




「起きてたのっ?」


荒い息でさけんだ。



「おもしろかったし…」



ひっどい、とあたしは伸をぽかぽかたたく。




伸はあたしのその右手首をつかんだ。




「指輪ぴったりでよかった。誕生日プレゼントってことと、結婚…とか」




あたしの手の上にもう一つ、少し大きな同じ指輪をのせた。



あたしはそれを伸にはめる。


あたしと同じ右の薬指に。




本物の、結婚式なんて知らないけど。



「…誓いますか」


「誓います」



また、キス。


優しいキス。