あたしは思わず体をはなして伸を見た。
ばつの悪そうな顔。
「柚菜のことを信用すべきなんだよな。なのに、俺」
けんかして、仲直りして。
「ううん。誤解を招くようなことしたから、あたし」
伸はあたしの手を握った。
「せっかくのお前の誕生日なのに。続きしようぜ」
ぐい、と引っ張り、さっきあたしが行きたいって言った、ゲームセンター。
プリクラを撮った。
伸とのプリクラはあれ以来。
伸があっちに行く前、まだ先輩と後輩だったとき。
伸はあいかわらず、目線のずれたプリクラ。
変わってないな、とあたしは笑う。
あのときは、こんな関係ありえなかったよね…。

