「あの、伸……?」 あたしはおそるおそる伸を見上げる。 「きゃ…」 あたしは伸に抱きしめられる。 あたしは伸でいっぱいになる。 あたしも伸に抱きつき返した。 「アホ…。ありゃナンパだろ」 「えっ、ナンパ?」 だって、伸に会わせてくれるって。 「あんなんに騙されやがって」 「うん…」 ここは街中なのに。 みんな見ているのに。 やめられないのはどうしてなの。 「…ごめん」 伸が小さく謝った。 「ごめんなさい…え?!」 伸が謝った?!