二人はどうなったのか、あたしは伸に抱きしめられていて見えない。
伸の後ろから痛い、って聞こえる気がするけど。
「柚菜、なにもされてねぇ…な」
伸はあたしの体を確認して、二人に向き合った。
あたしの前にちょうど伸がいるからどうなっているのかあたしには見えない。
「なんだよ」
「は、へ……、もしかして。このひとが彼氏??」
あたしはやっと伸の背中から抜け出す。
「そうです。ありがとうございます」
あたしはぺコリとおじぎした。
言ったとおりに会わせてくれたから。
「は…」
「てゆーことで。さいなら~」
「お幸せに~」
伸が意味がわからないとキレ始めたところで、二人は逃げた。
伸はそんなに怖く見えたかな。
それより、さっきけんかした伸。

