視界がなくなる。 伸のかおりでいっぱいになる。 あたしは伸にきつく抱きしめられた。 「先輩…」 あたしも抱きしめ返す。 これは、夢? 会いたかった伸の腕の中にいるなんて。 「もうちょっと、俺を信用しろよ…」 それは伸が告白されたときの話? それとも、綾香さんのこと…? 「まじでお前あほだろっ!」 伸があたしの体を離し、あたしのほっぺを引っ張った。 あたしのほっぺをぐりぐり伸ばす。 「綾香が俺と付き合ってるって~?んなワケあるか。俺はお前と付き合ってんのに」