「伸先輩はばかっ!ばかばかっ。ばーーか」
伸先輩に浴びせるバカの嵐。
「昨日だって、その前だって、今日だって…伸先輩はばかっ……!」
伸先輩に抱きしめられる。
「勝手に行こうとして、あたしに返事もさせないつもりっ?!自己完結させて、あたしの気持ちはどうなるのよ!」
昨日のあたしとは違うくらいの強気。
夜に思いっきり泣きましたからね。
もう怖いものなんてない。
「これで、会えなくなるかもしれないのにっ」
「悪い」
あたしの言葉に重ねて伸先輩はあたしに謝った。
あたしはなにも言えず、伸先輩に強く抱きしめられる。
言葉がなくてもわかる。
なにも言わなくても伝わること。
あたしたち、両思いなんだって。

